渦炎


 これも,4ページほど描いたところで原稿が盗難に遭い行方不明になってしまった作品です。コピーはかろうじてB5で取ってあったので,それを掲載します。


■あらすじ

 宇宙植物学者の滝田は,大学時代の友人で地質学者である高島から,手助けを求められる。高島はある惑星の調査と油田開発にたずさわっていたのだが,何かトラブルが持ち上がったらしい。
 その惑星にやってきた滝田は,高島たちがその惑星の植物が発する毒ガスに困っていることを知らされる。その惑星には渦状をした林があり,その林にある日突然火がつくという。その木は燃えると強酸性の毒ガスを発し,その毒ガスにふれた生物は死亡し,金属もぼろぼろに腐食されてしまうのだった。すでにその惑星に建設した油田のほとんどが破壊されてしまい,高島たちは最後の一つを何とか守ろうと滝田を呼んだのだった。
 滝田の調査によって問題の林は実は複数の独立した木で出来ているのではなく,地下で根でつながった一つの巨大な植物であることがわかった。しかもその中心からは地下の石油の地層にまで達する根が伸びており,その根によって石油を吸い上げて自分の養分としているのだ。人間の油田建設はその植物によって脅威であり,自衛のための手段として毒ガスを発生するらしい。
 滝田は石油の採取をすぐにやめるように指示したが,すでに遅く最後の油田の一番近くの林が燃え始めた。滝田や高島たちは油田基地を放棄しての撤退を余儀なくされた。
 何とか宇宙船へ逃げ出した滝田は,昔地球で使われていた「蚊取り線香」というものを思い出していた。

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